仮想通貨に携わっているとRaspberry Pi(ラズベリーパイ)という言葉を聞いたことがある方も多いことでしょう。
Raspberry Piは、小型のコンピューターで世界で様々な用途として用いられています。その一つには、ビットコインなどの仮想通貨に触れている人でRaspberry Piを使うこともあるようです。
今回の記事では、Raspberry Piと仮想通貨で何ができるのかについて紹介します。ビットコインのマイニングなんかもできるんですよ。
Raspberry Piとは?
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、小型のコンピューターで世界で様々な用途として用いられています。日本では、ラズパイとも呼ばれます。
使い方は、人によって異なるため一般的に「これに使われている」とははっきり言えません。
一部の例として、AIを組み込むことでプログラミングを学習させたり、カメラモジュールとして監視カメラを構築すること、ロボットを作ることなどもできます。
上記の用途が主流だと思われがちですが、実は仮想通貨でもRaspberry Piが使用されているのです。
まずは、どんな種類があるのかについてみていきましょう。
ラズベリーパイは、大きく分けて次のようなシリーズがあります。
Raspberry Pi シリーズ
Raspberry Pi 400
Raspberry Pi Zero シリーズ
Raspberry Pi Picoシリーズ
Raspberry Pi Compute Module
この中のRaspberry Pi シリーズが人気です。仮想通貨のために何かを構築するのでもこのタイプが広く使われています。
過去から現在まで以下のモデルが販売されてきました。
・Raspberry Pi 1A+
・Raspberry Pi 1B+
・Raspberry Pi 2 Model B
・Raspberry Pi 3 Model B
・Raspberry Pi 3 Model B +
・Raspberry Pi 4(最新モデル)
購入に迷ったら最新モデルのRaspberry Pi 4が良いでしょう。
日本では、まだまだ注目されていませんが、今後は少しずつ浸透していくかもしれません。
それでは、実際にRaspberry Piと仮想通貨で何ができるのかについて紹介します。
ビットコインのマイニング
まず、Raspberry Piとビットコインで知られている用途で「マイニング」でしょう。
ビットコイン(Bitcoin)のマイニングは、マイナー(マイニングをしている人)が各トランザクションに対してパソコンを使って記録、承認という複雑な計算を行なっています。
その処理に成功した人が、ビットコイン(BTC)を報酬として受け取ることができる仕組みのことをマイニングと言います。
マイニングは、高性能なCPU、GPUおよびゲーミングPCが使われます。
この記事の主になっているRaspberry Piを使ってもビットコインのマイニングができるのです。
簡単に必要なものを紹介します。
ラズパイでビットコインマイニングに必要なものRaspberry
Raspberry Piでビットコインをマイニング(採掘)するには、いくつか用意しなければいけないものがあります。
例として、以下のようなツールが必要です。
・Raspberry Pi 4
・USBスティックマイナー
・パソコン
・インターネットが接続できる環境
・Raspbian OSをインストールしたSDカード
Raspberry Pi 4
USBスティックマイナー
これらの機器や環境を準備して構築できれば、ビットコインのマイニングがスタートできます。
Raspberry Piでビットコインをマイニングするメリット
Raspberry Piでビットコインをマイニングするメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・低予算で構築
・低い消費電力
・簡単セットアップ
・増設が可能
通常では、複雑な構築が必要とされたり、高額な費用が発生します。
それと比較するとRaspberry Piでのマイニングは、簡単にセットアップできることと費用を抑えることができます。
このような理由からも、Raspberry Piを活用したビットコインマイナーが世界には数多く存在します。
仮想通貨ウォレット
Raspberry Piを使えば、仮想通貨ウォレットの作成もできます。
ウォレットは、仮想通貨の保管や送金、受信などができ、ハッキング対策としても使われます。
現在、主流となっているものとしてLedger NanoやTrezorというようなハードウェアウォレットがあります。どれもセキュリティを強化させるための便利なウォレットです。
これに近いものをRaspberry Piで構築することができるのです。
ハードウェアウォレットに興味がある方は、以下の記事をチェックしてください。
・Ledger Nanoを日本の正規代理店と海外公式サイトから購入する方法
・Trezor Safe 3を公式サイトで購入する方法|正規代理店はある?
・Ledger Nano S PlusとTrezor Safe 3を比較|どちらがおすすめ?
・Trezor Safe 3とTrezor Model Tを比較|どちらがおすすめ?
ブロックチェーンエクスプローラー
ブロックチェーンエクスプローラー(Blockchain Explorer)は、過去に遡って全ての取引やデータを確認できるプラットフォームです。
取引などのデータは、検索タブから仮想通貨のアドレスやトランザクションハッシュ(Txn Hash)、ブロック、トークン、ドメインネームを入力することで履歴を探すことが可能です。
サードパーティーのウェブサイトを利用することが一般的ですが、Raspberry Piを使用して自分だけのブロックチェーンエクスプローラーを作ってしまう人もいます。
セキュリティ面を考慮すると、自作の方が安全性が高いと言えるかもしれません。
構築には、プログラミングやNode.js、フィアウォールとリバースプロキシなどの技術や知識が必要です。
ノードの構築
ビットコインノード(Bitcoin Node)、イーサリアムノード(Ethereum Node)、ライトニングネットワークノード(Lightning Network Node)のようなノードをRaspberry Piを使うことで構築できます。
ノードを立てることで、ネットワークのセキュリティを維持することや分散化に貢献できます。
暗号資産のノードは、ネットワークに接続しているデバイスやツールと覚えておくと簡単かと思います。
ノードの用途として、次のようなものがあります。
・マイニング
・ウォレット
・ルーティング
・ブロックチェーンデータベース
この記事の最初に登場したマイニングは、処理に成功すると暗号資産の報酬が得られることでした。ウォレットは、マイニングの次の項で解説しているようにコインを保管するためのツールです。詳しくは、上をご覧ください。
ルーティングは、ブロックチェーンのネットワークに接続することを意味します。ほぼ全てのノードが持つ機能です。
ノードでは、過去の取引から現在までの取引履歴が保管できます。これをブロックチェーンデータベースと言います。
ノードを運営することには、ネットワークの健全性を維持することやアップグレードの改善にも貢献することができ、スケーラビリティや様々な機能面でも向上されていきます。
仮想通貨の価格ティッカー
仮想通貨の価格ティッカーとは、各銘柄の値段をリアルタイムで見ることができるシステムです。
仮想通貨は、ボラティリティー(価格変動)が大きく、チャートを常に追えないことも少なくありません。
そこで役立つのが価格ティッカーです。
Raspberry Piを使うことで、価格ティッカーを構築することができます。
ターミナルにプログラミングすることで、モニターに仮想通貨の価格を映し出すことが可能となります。
ビットコインだけでなく、イーサリアムやリップルといった複数コインのリアルタイム価格を表示することもできます。
様々なカスタマイズもでき、アラートをつけたり通貨を切り替えるなど用途が幅広いです。人によっては、仮想通貨の売買に大きな役割を果たすかもしれません。
トレーダーには、便利なツールだと言えるでしょう。
自動売買システム
自動売買システムは、日本だけでなく世界から注目されるキーワードです。
構築されたプログラミングから一定のルールに従って、仮想通貨の売買を自動的に行ってくれるシステムのことを言います。
株式やFXでもありますが、仮想通貨にもこうしたシステムが存在します。
24時間、全自動でトレードを行ってくれるので、自分で相場に張り付いている必要がなく、感情で取引してしまうといったことはありません。いわゆるトレーディングボット(Trading Bot)と言われます。
少額からスタートして、不労所得として資産を形成を試みる人もいるようです。
ただし、勝率はまちまちで、個人差があるためリスクも多いです。
このような情報を調べていると自動売買ツールの高額料金で販売するといった詐欺が横行してます。そうしたものに手を出してしまい、大きな資産を失ってしまったという情報もあります。絶対に手を出さないように注意してください。
自動売買プログラムは、Raspberry Piを活用することで、自作で構築ができます。AIを組み込むことで学習機能を付与することもできます。過去のチャートや指標などを織り交ぜたAIトレードも実現します。
システムの構築には、PythonやJavaScriptでアプリケーションを開発されています。
自動売買には、APIを組み合わせるので日本国内の仮想通貨取引所の開設が必須となります。
どのサービスを技術を利用するにもまずは、仮想通貨に触れてみることが一番重要です。まずは、取引所を開設して色々と学んでみましょう。
今回紹介したものは、あくまでも一例です。
Raspberry Piの用途は無限大で仮想通貨にも応用されています。
最後に
今回の記事では、Raspberry Piと仮想通貨で何ができるのかについて紹介しました。
ラズパイを使えば、ビットコインのマイニングもできるんです。
日本では、まだまだRaspberry Piを活用している人は少ないですが、海外ではかなりの規模で使われています。
今後は、少しずつ注目されてきて、日本でもユーザーが増えてくるのではないでしょうか。
ブロックチェーン技術とRaspberry Piを応用した、まだまだ知られていない使い方もありそうです。
今後どのような形で利用されていくのかも注目ですね。
どれを実行するにも、まずはビットコインを実体に保有してみることが重要です。
まずは、取引所を開設して仮想通貨を保有してみることが「最初のステップ」です。
その後、いろいろなことに触れてみてください。