ここ数年で、仮想通貨相場の上昇に伴い投資詐欺が横行しています。
SNSなどの広告を用いて、詐欺サイトや偽サイトに誘導して、他人の金銭を盗み取るといったことが海外でも多発しています。
近年、海外だけでなく、日本でも急増しているのが「タスク詐欺」です。
LINEやTwitter、インスタグラム、マッチングアプリなどで、投資関連の広告から詐欺に引っかかってしまう人も少なくありません。
今回の記事では、海外で急増しているタスク詐欺とはどのようなものなのか?手口や対処法についても解説していきます。
海外で急増の仮想通貨タスク詐欺とは?
ビットコインなどの仮想通貨が急騰していることから「タスク詐欺」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
タスク詐欺は、海外でJob Scams(ジョブスキャム)やTask Scam(タスクスキャム)と呼ばれています。
Jobおよび、Taskは、仕事や作業という意味を持ち、Scamは、詐欺という意味になります。
タスク詐欺は、投資者が仕事や作業を行うことで収益が上げられるといった情報を流して、お金を盗み取る手法です。
大きなお金を儲けられると思い込み、期待する人々は、お金を詐欺師が運営する偽の仮想資産取引所の口座に入金してしまい、出金できなくなるといった仕組みです。
数百円といった少額から、数百万円や数千万といった多額な金額を取られてしまい、泣き寝入りしてしまった事例もあるようです。
詐欺師は、日本人の場合もありますが、外国人ということも多いです。身バレや足がつかないようにするために、異なる国から詐欺が行われることが一般的です。
海外の仮想通貨タスク詐欺の手口
海外の仮想通貨タスク詐欺の一般的な手口として、取引所のコピーサイトが利用されます。
詐欺師は、新たなドメインを取得して、仮想通貨取引所のウェブサイトやアプリを作成します。
巧妙な場合は、いかにも会社が運営しているかのように装い、本物の取引所と非常に似ているため見分けがつきにくいこともあります。
手口の詳細は、良い儲け話やキャンペーンなどから偽取引所の口座アカウントの開設を行うように促されます。次に、騙されてしまう人は、口座にお金を入金して仮想通貨の取引が始めます。
入金した直後や仮想通貨の取引手順を間違えてしまうことで、出金ができないというトラブルに直面します。
ここで、タスクが与えられます。
手口としては、サイトに10人紹介したら報酬が与えられ、出金ができるようになる。といったタスクや仮想通貨を購入する際に、「150sなどの秒数」や「上昇という項目」などを間違えないように選択しなければいけない。というような謎の条件が要求されます。
内容は、詐欺師によって異なりますが、どれもお金を引き出せなくなるような複雑な仕組みの条件が存在します。
そのタスクを達成しなければ出金ができない、もしくは口座凍結のリスクが発生するというのです。おそらく成功しても出金できなくなることがほとんどだと思います。
出金するには、初回入金額の4倍、5倍の追加入金が必要などと脅迫的な内容がメッセージで送られてきます。
ここで追加入金してしまった場合、詐欺師と連絡が取れなくなってしまい全額が出金ができなくなり、お金を盗み取られたということに気が付きます。
上記は、一例ですが仮想通貨のタスク詐欺の手口です。
タスク詐欺に騙されてしまうこととして、1回目の仮想通貨取引では、問題なく取引ができることもあります。
そして、実際には儲かっていないのに、いかにも儲かったかのように残高に利益が反映されているはずです。
こうしたことによって、さらなる追加入金を促すような手口が取られていることも多いです。
どこで仮想通貨タスク詐欺が行われている?
仮想通貨タスク詐欺は、様々な場所で行われています。
以下が一例となります。
・Telegram(テレグラム)
・LINE(ライン)
・マッチングアプリ
最近では、日本でも同様の詐欺が流行っていることからLINEやインスタ、マッチングアプリといった日本人の利用者数が多いSNS等が狙われていることが分かります。
また、詐欺師が芸能人や有名インフルエンサーの顔写真などが勝手に使い、広告を出しているといったニュースもあります。それを信じ込んで投資してしまう人も少なくありません。
一気にお金が儲けられるというような謳い文句で、投資経験のない若者が狙われています。スマホの扱いに慣れているという点で10代、20代、30代といった若い世代の人たちが標的となっています。
出金できないお金を取り返す方法はある?
仮想通貨のタスク詐欺に遭ってしまった場合、出金できないお金を取り返すのは、非常に難しいと言えます。
ただ、できる限り早く詐欺に気づき、早期に対応することでお金が返金される場合があるかもしれません。
いくつか騙し取られてしまったお金を取り戻すための方法を解説します。
1.警察に相談する
やはり、詐欺に遭ってしまった場合は、警察に相談することが一番でしょう。
自分で考え込んでしまっても解決できることはありません。また、自ら詐欺師を特定しようとして、行動をとってしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性もあります。
自分で色々と解決策を調べるよりも特殊詐欺などの事例に、数多くの実績がある警察に頼むのが一番だと言えるでしょう。
時間が経ってしまうと、その詐欺サイトが消えてしまうことがあります。
できる限り、早く相談に行くことをお勧めします。
2.弁護士や専門家に相談する
警察の他に、弁護士や専門家に相談することも事件の解決につながるかもしれません。
仮想通貨詐欺に詳しい弁護士や専門家という方もいます。
そうした方々にも情報を共有することで、過去の事例や経験からも状況が分かってくるかもしれません。
費用などは、かかってしまうかもしれませんが、早期解決に繋がることもあるようです。
3.証拠を残しておく
振込内容の履歴や取引履歴、ウェブサイトのURL、メールのやり取りなどを全てスクリーンショットをして、証拠を残しておくことが重要です。
サイトが消えてしまったり、各種履歴がどこにあるか分からなくなってしまうと、警察や専門家への情報共有ができなくなってしまいます。
日付や時間、詳細を忘れないためにもスクショやメモ書きなど、詳細にまとめておくことを忘れないでください。
仮想通貨タスク詐欺の見分け方
仮想通貨タスク詐欺を見分けるというのは、難しいこともあります。
しかしながら、以下の内容を把握しておくことで、自分の資産を守ことができるかもしれません。
・会社の情報が正しいか
・SSL化されていない
・投資の条件が多い
・日本語がおかしい
・芸能人が出てくる
詐欺師の特徴を知っておくことで対処できることもあります。
SNSの広告を信用しない
SNSでは、数多くの広告が流れてきます。
その中には、投資で大儲けや誰でも簡単に儲けられるというようなスポンサーも多いです。
こうした広告は、疑うべき内容だと言えるでしょう。
簡単に儲けられる人などいません。
会社の情報が正しいか
詐欺サイトに書かれている会社概要欄を確認してみましょう。
まず、会社の情報が記載されていない場合は、怪しいということが判断つくでしょう。金融関連を扱う会社では、所在地など詳しく掲載されているはずです。
ただし、これだけの情報を鵜呑みにするのではなく、自分で会社の住所と電話番号などを検索してみることをおすすめします。
内容が一致しない場合や全く違う国の会社が検索から出てくることがあります。
また、Google Mapで住所を調べると、個人の自宅であったり、広場や倉庫だったという事例も少なくありません。
SSL化されていない
ウェブサイトを開くと、リンク上に「安全ではありません。」といった表記が出た経験はございませんか?
最近では、URLの隣に鍵マークが付いているサイトがほとんどです。
これが、SSL化されている証拠です。
ウェブサイトのSSL化は、ユーザーの通信が暗号化される仕組みが構築されている証拠となります。お金やクレジットカードなどを取り扱う場合には、SSL化がされていない信頼できるWebサイトはほぼないと言えるでしょう。
ただし、最近ではSSL化は、誰でも無料でできてしまいます。
ですので「SSL化されているから大丈夫!」といった判断は非常に危険です。
投資の条件が多い
詐欺サイトの取引所は、投資するための条件が多いことで、詐欺だと見分けがつく可能性があります。
通常の取引所では、売買が自由に行えます。しかし、詐欺の取引所では、秒数の入力や上昇などの選択、紹介しないと取引や出金ができないなど、複雑な条件が強いられます。
健全な取引所であれば、取引から出金の全てがいつでもスムーズに行えるはずです。
こうしたことに気づけることで、追加入金してしまうことを避けることができます。
日本語がおかしい
ウェブサイトや詐欺師のやりとりで日本語がおかしいということも多いです。
日本を対象として詐欺を行っているので、詐欺師が外国人であることも多々あります。
文章が明らかにおかしい場合は、疑ってみることが重要です。
芸能人が出てくる
芸能人や有名YouTuberのようなインフルエンサーが広告塔として無断で使われているサイトが数多くあります。
投資をしていない全く関係のない人たちの顔写真が勝手に使われ、安心感を与えようとします。そこで絶対に儲けられるようなことを謳っているのが見受けられます。
このようなサイトは、ほぼ間違いなく詐欺サイトなので、絶対に利用しないようにしてください。
仮想通貨タスク詐欺に遭わないための対策
最後に、仮想通貨タスク詐欺に遭わないための対策を解説します。
非常に単純な内容ですが、以下のことを知っておくと、今後のトラブルを限りなく減らすことができるでしょう。
怪しい広告は利用しない
SNSで流れてくる広告を利用しないことが、詐欺に遭わないために最も重要だと言えるでしょう。
簡単に誰でも儲けられるというようなことはありません。
暗号資産だけでなく、FX、株式投資など全てにおいてリスクが存在します。
そうした謳い文句の広告や見たことのない投資会社の広告は、利用しないのが一番です。
投資の誘いがあっても乗らない
最近では、知人やネット上の情報でセミナーという話を聞くことがあるかもしれません。
こうした話は、仮想通貨の相場が盛り上がっているときに、頻繁に発生します。
良い話が多数出てくることには、怪しいと疑う必要があります。
投資するのであれば、セミナーなどに行くのではなく、大手取引所を利用して、自分の判断で取引するようにしましょう。
追加入金しない
タスク詐欺で、お金を出金するためには、追加入金をするようにと、要求されてしまいます。
追加入金すれば、必ず出金できるような文言で、メッセージが送られてきたりすることもあるでしょう。
被害に遭ってしまった人からすると、詐欺サイトの口座アカウントの残高に自分のお金が残っており、追加入金すれば出金できると言われるので、もどかしい気持ちになってしまいます。
しかし、ここで一か八かで入金してしまうと、残高の資産に加え、追加入金したお金も盗み取られてしまいます。
再度お金を要求されても、絶対に追加入金せずに、警察へ相談に行くようにしてください。
日本の仮想通貨取引所を利用する
日本には、数多くの実績のある仮想通貨取引所があります。
見たこともない広告のサイトで取引するのと比較しても、明らかに有名な日本国内の取引所を利用するのが安全です。
投資は、自己判断となってしまいますが、詐欺サイトでお金を盗み取られてしまうのを考えると、最初から日本の大手取引所だけを利用することが一番の詐欺対策だと言えます。
日本の有名な取引所一覧と設立年月
日本の名の知れた有名な取引所をまとめておきます。
これらの取引所は、全て暗号資産交換業者として登録しており、日本政府からも許可が出されています。
日本国内の暗号資産取引所 | 設立 |
コインチェック(coincheck) | 2014年8月 |
GMOコイン | 2016年10月 |
bitbank(ビットバンク) | 2014年5月 |
SBI VCトレード | 2017年5月 |
DMMビットコイン | 2016年11月 |
BITPOINT(ビットポイント) | 2016年3月 |
bitFlyer | 2014年1月 |
Zaif | 2016年4月 |
上記は、長年の間、運営をしているので信頼できる取引所ということが明らかです。
もしも、暗号資産の売買を始めたいのであれば、日本の取引所を利用するのが、良いと言えるでしょう。
最後に
今回の記事では、海外の仮想通貨タスク詐欺の手口と出金できないお金を取り返す方法について解説しました。
ビットコインの相場が盛り上がってくると、必ずといっていいほど詐欺の話が増加します。
現代のソーシャルネットワーク時代では、飛び道具のようにインターネットを利用して詐欺師たちは、他人の資産を奪い取ろうとしてきます。
SNSの広告やセミナーなどから情報を得て、投資を始めようとしている時には、もう一度、本当に自分の投資先が正しいのか考え直してください。
この記事でも解説したように、手口や対策を読み返してみましょう。
簡単に儲けられる良い話というのは、基本的には存在しません。
もし、仮想通貨投資を始めたいのであれば、この記事の最後でも紹介した、暗号資産交換業者として登録しており、日本政府から認可を得ている会社を利用することをおすすめします。